ソニーを襲うユーロの「悪夢」

http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20100520/214529/

・ドル想定レートは90円。1円円高に振れると20億円の営業減益
・ユーロ想定レートは125円。1円円高に振れると70億円の営業減益
パナソニックはドル90円想定20億減益,ユーロ120円想定35億減益。2011年営業利益予想は2500億円)


・ユーロが円高に1円振れただけで、2011年3月期は年間70億円の営業減益要因になる。
・想定レートは1ユーロ=125円と、同業他社に比べて円安
・今期の連結営業利益を1600億円と予想しているが、円高基調が長期化すれば、下方修正を迫られる可能性もある。
ソニーの前期連結売上高に占める欧州市場の割合は、約4分の1に達する
パナソニックは10%程度)
・欧州向けのソニー製品の多くは、中国などアジアで製造しており、欧州で製造しているものでも、部品の多くをドル建てで欧州域外から調達している。
・欧州では部品産業がさほど発展していないため、ユーロ建てで調達できる部品の比率は上がらない。
ソニーは他の日本メーカーに比べ、サプライチェーンマネジメントの改革が遅れている。調達から販売までに要する時間が長いので、為替変動の影響をより強く受ける
→即座に切り替えられないということ?現地化できていないということ?
ソニーのコスト競争力の弱さが、為替感応度の高さという形で表れた格好


・新製品の価格を引き上げれば、減益はある程度抑え込める
・このままユーロ安が続けば、クリスマス商戦向けの製品を高めに値付けできる
→円安だと輸入品高くなるのと同じ理屈
東芝もユーロ建てで調達できる部品が少ないという問題はソニーと同様
・欧州でのシェアを高めるためには、ユーロ域外からの部品調達を増やさざるを得ず、結果として感応度が高まってしまう。
・今後の為替水準次第では、グローバル規模での調達戦略を見直す企業が相次ぐ可能性も


キヤノンやリコーなど精密大手もユーロ安で負の影響を受ける
・世界の事務機市場では日本勢が高シェアを維持しているが、リース販売が多く販売先の信用力に懸念がある新興国の売上高比率は低い
・その分、各社の欧州比率は2〜3割と高くなり、ユーロ変動の影響は避けられなくなる

・折り曲げ可能という独創性を先んじて製品化されてしまう可能性
→日本の研究機関との連携。産学官の新連携
・ユーロ(のみならず新興国各国も)における開発・調達の現地化。為替感応度の低減